西に沈むプロローグ

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  “ねぇ、いつか晴希は空を飛べるようになったりする?” 俺――晴希と、咲(さき)は世間一般でいう幼なじみだった。 そして君は昔から決まって俺にそういう よく分からないことを言って。 『ばーか』なんていいながら、けど、そんな言葉にでさえ俺は 、笑みを零して、ミルクティーみたいに明るいふわふわの髪の毛を撫でていたっけ。 その時いつも、ほのかに石鹸の香りがしていたのを覚えている。 “笑ってないで答えてょぉ!” 君は髪をぐちゃぐちゃにする俺の片手を、両手を使って必死に止めようとしてたっけ。 その時の表情は、いつも怒りながら、笑っていたのを覚えている。 いつも、いつも どんな時も 君は笑っていた そのひまわりみたいな笑顔で  
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