西に沈むプロローグ

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咲は、色白の肌に、大きな薄茶色の瞳。 ばさばさとした睫毛をしていて、小柄で。 まるでお姫様みたいな容姿。 でも白いワンピースが好きで、可愛いモノが好きで……って、そんな物語に出てくるようなお姫様じゃなかった。 咲はいつだって私服を着れる時はTシャツにズボンで、しかもそのTシャツのセンスの悪さに俺はいつも驚きと、呆れと……可愛いな、なんて。 それに君が好きなのは少年漫画だったよな。 どこか変わってた。小さな頃から。 ずっと誰より近くで見てきていたんだ。 もう、外を二人で駆け回れなくたって。 ただ君といる毎日が、続くことがいつまで経っても俺の夢で、毎日毎日願っていた――  
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