哀れな少女

1/4
前へ
/104ページ
次へ

哀れな少女

太陽が照り付けている。 風がサァッと吹いて、髪がなびく。 ファインは、銀色に光る長い髪を後ろで束ねようと、白いバンダナを取り出した。 この国は、黒髪に黒い瞳が当たり前だ。 しかしファインは、美しい銀色の髪に銀色の瞳。 何故か。 それは、ファインが精霊と人間の間に出来た子だからである。 精霊は一見人間と変わらないが、獣耳や尾があったり、朱や碧の髪や瞳を持つ者がいる。 ファインの父親は、がっしりとした体格の人間。 母親はウィンディ・キャットという種族の精霊だった。 二人は愛し合い、結婚し、子供も産まれた。 その子供が、ファイン…。 母親の髪は銀色で、ファインはそれを受け継いでいった。 周りから、 『髪の色が変。』 『精霊と人間の血が合わさった者。』 と言われ、いじめにあってきた。 .
/104ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加