221人が本棚に入れています
本棚に追加
/516ページ
3月下旬、少し肌寒い街中を少し早足で歩いていた。
「ヤバッ……ギリギリ間に合うかなぁ」
あたし、片桐 未琴(カタギリミコト)は、ある場所へと向かっていた。
春休みに入ってから初めてのデートだもん、いつも以上に気合いを入れすぎちゃって……気が付いたら、出発時間を10分もオーバーしてた。
今まで遅刻なんかしたこと無かったのに、これは流石にマズイでしょと、あたしは待ち合わせ場所の駅まで急いで向かった。
駅前の信号に辿り着くと、丁度赤信号だったのか、乱れた呼吸を整える。
流石にこの時期だから、身体はポカポカ暖かくても、汗だくまではいかないけどね。
お陰でギリギリ遅刻しないで済みそうだよ。
信号が青に変わると、走りはしないものの、早足でいつもの待ち合わせ場所へと足を進める。
.
最初のコメントを投稿しよう!