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そこには既に待ち合わせの人物が到着しており、駅入口の壁にもたれ掛かっている。
いつもながら、このシチュエーションで毎回あたしは彼の姿に見惚れてしまう。
ただでさえ、デートでテンションが上がっているのに、私服姿の彼はいつもの制服姿と違って、カッコ良さがより引き立っていると思う。
学校でもカッコ良いのには変わりないけど、本人いわく……あまり目立たないようにしている為、そこまで注目されることも無く、平穏な学校生活を送っていた。
いつもなら少し立ち止まって少し離れた場所から観察してから近くへと向かうけど、今はそんな暇も無く、足早に彼の元へ向かった。
「ごめん、類っ。時間ギリギリになっちゃった!」
「気にしないでいいよ。そんなに待ってないし」
待ち合わせ相手……東森 類(ヒガシモリルイ)に頭を下げると、彼は笑顔で許してくれた。
いつもながら、類って優しいなぁ……
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