221人が本棚に入れています
本棚に追加
ホームへの階段を昇り終えると同時にタイミング良く電車が来た。
あたしたちは迷うこと無く、その電車に乗り込むと、車内は予想通り混み合っているのが一目で分かる。
当然座るスペースがあるわけでも無く、とりあえずドア付近に立つことにする。
その時、人に押し潰されないよう、あたしを壁側へと立たせて、類が盾となってくれた。
類のちょっとした気遣いが、とても嬉しい。
今日は電車で1時間位離れた遊園地へ行くことになっていた。
水族館やクリスマスのイルミネーションなどは一緒に出掛けたことはあるけど、何気に2人で遊園地というのは初めてだ。
遊園地って、大分前に女友達数人と出掛けたきりなので、実に半年以上振りだろうか。
しかも、デートで遊園地へ行くのはかなり王道だと思っていたが、今はテンションの上がる女の子の気持ちが分かる気がする。
「今日は一杯遊ぼうねっ!!」
目的地へと近付くにつれて、あたしは期待で胸をワクワクさせていた。
.
最初のコメントを投稿しよう!