221人が本棚に入れています
本棚に追加
「みこち~ん、元気だしてよぉ」
「どうせ、あたしなんか……」
「…………」
ピーンポーン
ちぃに正論を言われて軽く凹んでいた時、突然玄関のチャイムが鳴る。
司が立ち上がって、インターホンの受話器を取ると、手短に何かを話している。
そして、用件を済ませ受話器を置いた司は、そのまま玄関の方へと歩いていった。
「もう着いたみたいだね~♪」
「うん、そだね……」
「暗っ!?みこちん、いつからそんな暗い子になったの?」
「どうせ、あたしなんか……」
「まだ言ってるし」
ソファーの上で体育座りをしてるあたしを、ちぃは宥めている。
あたしって、こんな暗い奴だったっけ?と、自分でも思うけど、なかなか気分が軽くならない。
そして、しまいには……
「幼なじみなんてクソ喰らえだ……」
と、全国の幼なじみカップルの皆さんに対する暴言まで吐いていた。
「みこちん、それはただの八つ当たりだよぉ……」
「分かってる」
そんな暗い会話をしていると、リビングの扉が開いた。
.
最初のコメントを投稿しよう!