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あたしとちぃの2人が入口の方へ目を向けると、最初に司が入って来て、後に続くように2人の男の子が入って来た。
そのうちの1人は、あたしの大好きな彼……類の姿。そして、もう1人は……
「ケンケン♪お久~♪」
「おうっ!未琴ちゃんと智絵ちゃんも元気にしてたか?」
ケンケンと呼ばれた彼は、宮本 健(ミヤモトケン)。
陸上部部長の彼は、爽やか系男子として女子からの人気が高い。そして、類とは小学校時代からの親友である。
宮本君は相変わらず元気だなぁ……
「ケンケン。それがさぁ~、みこちんがさっきから暗いんだよぉ。このままじゃ、キノコ生えちゃうよぉ」
「マジでか!?キノコ生えたら、未琴ちゃん危ねぇじゃん!」
生えねーよ。
宮本君も、ちぃのアホ話に乗らないでよ……
心の中で1人ツッコミをする。
「ということで、私にはお手上げです。東森君、後はヨロシク~♪」
「えっ!?ちょっ……葛城さん?」
「ルーイ、全てはお前に懸かってるんだぞ」
「健まで……」
今来たばかりだというのに、いきなり押し付けられたら当然誰しもが困惑するよね?
類はソファーの上でうずくまるあたしの前に近付くと、その場に膝を付いて心配そうな顔を向ける。
「未琴、何があったの?」
こんなつもりじゃなかったのになぁ……大した理由も無いのに凹んでる自分が情けないと思っていたが………
「あ~、みこちん拗ねてるだけだから、ご機嫌取りすればいいよぉ~♪」
ちぃの奴が余計な事を言ったので、素直に類に謝ろうと思っていたあたしは余計意地を張ってしまった。
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