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「はーーいっ」
類の代わりにあたしが返事をすると、そこから聞こえて来たのは低く落ち着いた感じの声。
一発で、それが司の声だと分かった。
「この様子だと、未琴も落ち着いたようだな」
アハハ、司にも心配かけちゃったね……
どうも、すいません。
「ああ、お陰様でね。鳴海、あの2人の様子はどう?」
類も少し残念そうにしてたけど、随分穏やかな表情で司に向かって話していた。
「あいつらは今、静かに反省しているみたいだ。東森、余程お前の言葉が効いたようだな」
「そう、それなら良かった。僕達もすぐ戻るから、鳴海は先に行ってて」
「ああ、分かった。先に行ってるぞ」
司は短く返事を返すと、足音が遠のいていく。
司とはドア越しに会話をしていたのをいいことに、あたしたちは今、とんでもない体勢になっている。
決して広いとは言い難い脱衣所の中で2人っきりと言うと、かなりの密室状態だ。
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