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ああ、このままキスされるんだなぁと、あたしは思い切って目を閉じる。
しかし、いつまで経っても何も起こらず薄目を開けようとした時……
クスクスと笑い声が聞こえて来て、あたしは思いっきり目を見開く。
「ななななななーーーー!!?」
何笑ってんですか!?
てか、類サン?
人の反応を見て遊びやがりましたね?
「ご、ごめ……未琴、あまりに可愛かったからさ……」
必死に笑いを堪えながら話す類に、あたしは初めて殺意を覚えた。
「類の馬鹿。死ねばいいのに」
「ごめん!!僕が全部悪かったから、機嫌治してよ。ね?」
「ツーーーン」
「未琴……」
この後、完全無視してリビングへ戻った不機嫌なあたしと、バツの悪そうな類を見るなり、リビングで反省していた2人+司は……
『一体何があったんだ?』
と言いたげな顔をしてたけど、あたしはその手の質問を全てスルーした。
その後、何とも言えないピリピリとした空気の中、旅行の計画を立てたのは言うまでもない。
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