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3月29日 快晴
いよいよ待ちに待った旅行当日を迎えた。
あたしはいつもよりも少しだけ早めに起きて支度を済ませた後、いざ待ち合わせ場所へと向かおうと玄関へと歩く。
確か、朝10時に駅前で待ち合わせのはずだから、20分前に家を出れば余裕で着くはず。
旅行バッグを片手に家を出ようと玄関のドアを開けた時、目の前に見たことの無い車が停まっていることに気付く。
それは8人位は乗れそうなシルバーのミニバンで、特にあたしの家近くの細い路地に停車してるだけでも、交通が妨げられるだろう。
しかし何故、家の真ん前に停まっているか気になって、門の外へと出ると、一気にその疑問は解決された。
「みこちゃ~ん、おはよ~☆」
そこには、車の窓から身を乗り出し、ブンブン手を振っている苺ちゃんの姿がそこに居た。
車が違うのは、恐らくいつもの車では6人も人が収まらないから、何処からチャーターでもしたのであろう。
「苺ちゃん、おはよ。えっ、駅に10時じゃなかったっけ?」
「うん、そうだよ☆でも折角だから、お迎えに来ちゃった~☆」
「あ、ありがとう、苺ちゃん」
「いいよいいよ~☆さぁ、車に乗って~☆」
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