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相変わらずニヤニヤと怪しい笑みを浮かべている苺ちゃんに、とてもじゃないけど良い雰囲気になるはずもなく………
微妙な空気の中、車は駅へ向かって走っている。
そんな中でも、あたしと類の手は重なったまま離すことはなかった。
寧ろ離したら負けみたいな、苺ちゃんに対する変な対抗心があったのかもしれない。
数分後、車は本来の待ち合わせ場所である駅前のロータリーに到着すると、
「ちょっと待っててね~☆」
と、苺ちゃんは車を降りて、何処かへと走って行ってしまった。
「苺ちゃん、どこ行ったんだろう?」
頭の中にクエスチョンマークを浮かべながら、あたしは類に聞いてみる。
「僕も良く分からないよ……何てったって、あの姉さんだからね」
ですよね……
苺ちゃんのことを知り尽くすこと自体、無理ありすぎだよね。
変に弱みを握られそうで怖いです……
「でもさ、苺ちゃんって普段と素のギャップが激しいよね」
「うん、それは言えてるね。でも、今みたいな性格というかキャラになったのは4年前からだよ」
ああ、確か大掛かりなイメチェンというか大変身をしてからだっけ。
その話を苺ちゃんから聞いた日に、素の状態で話をされて、びっくりしたことを鮮明に覚えている。
苺ちゃんは色んな意味で侮れない人かも。
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