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あたしにしか見せない類?
そう言われてみると、色々と心辺りがあるんだけど……
じっと宮本君を凝視すると、あたしの意図が伝わったらしく、
「何つーかさ、上手く言えねぇけど……
ルーイが未琴ちゃんに向ける目が、俺を見る時と全然違うんだよな。すっげえ愛しそうつーか、慈愛溢れるような優しい表情って言うのかな。
あんなルーイの顔、未琴ちゃん以外に出せる奴は居ねぇな」
確かに類があたしを見つめる瞳はとても優しい。
長年、類の近くに居る宮本君にはそれが分かってたってことかな。
それにしても……
「宮本君が慈愛なんて言葉を知ってるなんて意外」
「うわっ!?未琴ちゃんって結構毒あるよな……俺のガラスのハートにひびが入ったかも」
ごめんなさい。
宮本君の心臓は普通に毛が生えてると思います。
「ま、ガラスのハートはともかく、俺の言いたいこと分かってくれた?」
「うん、大体ね……」
「去年の6月だったかな。ルーイに好きな子が出来たって聞いた時、ちょっとだけ未琴ちゃんに嫉妬した」
「えっ?」
宮本君があたしに嫉妬って?
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