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意外過ぎる告白に、思わずその話に聞き入ってしまう。
「以前は、俺の方から恋愛話振っても全然乗ってくれなかった……つーか、興味すら示さなかったアイツが、ある日、急に元気が無くなって、命よりも大切なはずの実験にすら手に付かないって言い出してな」
「えっ、そんなことがあったの?」
その話を聞いたのは初めてだ。
類の口からは決して語られることがないその内容に、あたしは目を丸くする。
「確か去年の6月……梅雨入りする前の話だったかな」
……去年の6月?
あっ!!
宮本君の言葉ですっかり忘れてたことを思い出した。
そういえば、付き合い始める少し前……あたしが一方的に類を避けてた時期があった。
「その時に俺はルーイの悩み相談に乗ったんだよ。それでも、なかなか白状しなくて、無理矢理口を割らせたら、未琴ちゃんの名前が出て来たって訳。
あの鈍感大王のルーイに好きな女の子が出来たってのは意外だったけど、少しだけ……その女の子に嫉妬した。
俺のルーイが他の子に取られるってな」
「宮本君ってさ……」
「ん?」
「ひょっとして、そっちの気もあるの?」
うん、宮本君の話を聞くからには、類のことを妙に溺愛してるように思えるんだよね。
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