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何故か鼻を高くして言う宮本君に、あたしは思わず吹き出してしまう。
「アハハハハ!!『受け取りたまえ』って……ヤバッ、マジウケる!?」
「未琴ちゃん、笑いすぎ」
一体どれぐらい立ち話をしてただろうか……携帯の時計を確認すると、9時59分を指していた。
こんなにも喋ってた筈なのに、実際には4分しか経過してないことに驚いた。
そんなに捲し立てて喋ってたのか?
「それにしても、司とちぃがまだ来てないね」
「いつも、時間5分前行動とかキッチリしてる、あの鳴海 司が遅刻とは珍しいよな」
周囲を見回しても、一向に2人の姿はおろか、気配すらしないとは、どうしたものか。
不安になったあたしは、ちぃにメールを送ってみる。
その返信は早く……支度に時間が掛かりすぎて5分程遅れるという内容だった。
勿論、司もちぃと一緒に駅に向かっているらしい。
とりあえず、車の特徴をメールで伝えた後、あたしは宮本君を連れて、類の待つ車へと移動した。
車に戻ると、ある意味予想通りと言っていいのか……不機嫌オーラを纏った類の姿があった。
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