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「アッコちゃーん!」
「おっ、優。」
あたしは岸山亜子、明日で17歳の高2。
そして今あたしをアッコちゃんと呼んだのは、親友の高橋優。
「あー!亜子髪染めたっしょ~。茶色くなってるし」
「夏休みなんだから良いじゃんよ別にぃ~。」
歯を出して笑う優は、すっごく可愛いんだ。
今日は今から近くの神社のお祭りに行く。
「なんで優は髪染めないの?」
あたしは優の長い髪の毛をそっと触ってみた。
サラサラの黒髪が、あたしの指をすり抜ける。
「バイト先がさー、そういうのに超厳しいんだよね。ピアスも本当はダメなんだー。髪の毛で上手く隠してるけど。」
優は髪の毛で耳を隠してみせた。
「へぇー、だから長いのか。」
「そういう事!」
2人で笑いあっていたら、目の前に大きな鳥居が見えた。
いつの間にか着いたみたい。
「うわ、すごい人……。」
ドン!
優が呟いた直後、あたしは誰かとぶつかった。
と言うか、誰かがあたしにぶつかってきた。
「いだっ!えっ?今、えっ?!」
「すんませーん、小さくて見えませんでしたー。」
あたしは確信した。
今ぶつかってきたのは、同じクラスの男子で、クラスで一番背が高い桐谷龍牙だと。
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