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優しくもう一度唇を重ねてから、そのまま滑って首筋にもキスの雨を降らしてきた。散葉はされるがままだ。
「ん…零也くん…。それ、好き…」
「じゃあもっとしてあげます」
鎖骨まで下りてきたところで零也の進行が止まった。
「やっぱり小さいよね」
「や、そうじゃなくて…あの、大丈夫ですか? 今日はなんだか散葉さんいつも以上に反応がいいんで…」
「へ? 大丈夫だよ。わたし、神様だよ?」
「そ、そうですよね! 散葉さんはつよいですもんね!」
確認はとった。
だから零也は何のためらいもなく、膨らみ始めのようなその胸の頂点。健気に存在を主張する桜色の蕾に唇をつけた。
────────瞬間。
「ひ……っ!?」
「ちゅ…む」
「ちょっと待っ…!」
首筋の比じゃない刺激。なんだこれは。おかしい。戦慄すら覚えるレベルだ。けれど制止の声すらまともに発音できない。
「ぢゅ…」
「ひぁ!」
一際強く吸われ、体が弛緩した。そこにとどめの一撃。
かりっ、と一噛み。
「───っあ!」
意識すら飛びそうな刺激を食らって、散葉はその場にへたり込んだ。
☆
「ねぇねぇ零也くん…もう一回だけ…」
「だめです。そろそろ七海も帰ってきますからお風呂入ってパジャマ着てください」
「むぅ…」
不満げな散葉さん。
でも、大丈夫って言ってたのに触るたびに壊れそうなくらい反応するんだから無視はできない。
いやいや浴場に向かう散葉さんを見送って、背中からベッドに倒れ込む。
まさかこんな事態になるとは思っていなかったからちょっと疲れた。小さい散葉さんはなんだかいつもと違う可愛さがあって新鮮ではあったけれど。
「…また落ち込んでるだろうなぁ…」
下手をすれば泣いてる可能性だってある。いつだってそう。自分に全然自信を持ってくれないから。
「……よし」
僕は決心して着替えを用意し始めた。
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