1.異界への旅路

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       ★  始まりから幾星霜。  限りない実験の末、神は作り上げた。  自分の全力を用いて作り上げた自分と同等の力を持つ存在を。  けれど作り出すのに使った力を取り戻すまでに、三百と六十五回明るくなって、三百と六十四回暗くなった。  恐かった。  自分と同じだけの力を持つ者が。  万全を期して、神はその者がいる森へと向かった。  足を使って歩く。  自分が作り出した〝土〝と言う名のものの上を。  〝星〝の中にはたくさんの仕組みを作った。  空を舞う〝鳥〝も。  〝草〝を食む〝虫〝も。  けれどそれも実験の過程で必要だったもの。  今は必要ない。  必要なのは自分を満たしてくれる物。  実験の成功例。  それが、この先に──。  不思議な、抑えられない衝動をそのままに茂みを抜けた先。  そこにいたのは白い布を纏う自分と同じようなけれど、自分よりも小さな、〝鳥〝や〝獣〝と戯れる者だった。  その者は神に気付くと、口を開いてこう言った。 「ふふっ、あなたも…遊びますか?」  ある意味では、それが本当の始まりだった。
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