溜め息、よっつ

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はあ、とやけに重たい溜め息が口から零れ出る。 いつも面倒ごとやら命の危険を感じさせることやらに巻き込まれていて、溜め息を吐くなんて珍しいことではないのだけれど。 今日の溜め息はほんの少しだけいつもより長く、そして重く。 隣で歩く人間から何度も吐き出されるそれに痺れを切らした彼は溜め息とはまた違う息を吐き出した。 「なんなんですかもう、さっきから」 「ご、ごめん…」 「謝るのも4回目ですよ。君の脳みそはこんにゃくで出来てるんですか?」 こんにゃくって!と、半ばショックを受けるも綱吉には反撃する力も残っていない。 がっくりとこうべを垂らし肩から落ちかけている鞄をそのままに、5回目の溜め息を吐こうとする。 が、空気を吸い込み吐き出す前に細くすべらかな指に顎を掴み持ち上げられ、その溜め息は不発となる。 ひゅう、と空気が抜けた音を耳にして、骸は不機嫌そうな顔で綱吉の眼を見つめた。 「たかが音楽がなんだって言うんです、歌うだけでしょう?」 「たかがって…俺、音痴なんだからな!」 「ああ、それっぽいですね」 「ひどっ!!」 .
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