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ガタン ゴトン…
ガクンッ
「うぉわ!!?」
電車の揺れにより、手摺りに載せていた腕が滑り落ちた。
「っとぉ…」
いきなり大きな声を上げてしまった弥生は口元に手を当て、回りを見渡した。
「(こんなに人が減ってる…。
あの人は……あ、いた。)」
弥生が追いかけて来た男性はまだ電車の中にいた。
弥生は思わずじーっと見てしまった。
そして、自分に視線が向いていることに気付いた弥生は少し視線をずらしてみた。
すると…
「(げっ!!?)」
知らないおじさんと目が合ってしまった。
とっさに目線をずらした弥生。
こっちに来るなよと思っていた弥生だったが、その願いは虚しく終った。
「ねぇ、おじさんもこっち方面なんだけど、姉ちゃんどこまで行くの?」
「(こっちに来るなよくそじじい!!)」
じりじりと逃げながら無視をし続ける弥生は座席の1番後ろまで来てしまった。
「(げっ!
ここ1番最後尾じゃん!!)」
「そんなに逃げることないでしょー。
かわいいねぇ。」
スッ
そんな言葉を言ったと思ったらおじさんは手を握ってきた。
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