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「あ、それ、俺が飲んでたやつだけど気にしないでね。」
「へ!!?」
突然慎が信じられないことを言い出したので弥生は驚いた。
案の定、弥生は顔を赤くしている。
「気にしなくてもいいでしょ。
俺は気にしない派だからさ。」
「き、気にしなくていいって言われても…。」
慎は恥じらうという気持ちは持ち合わせていないようだ。
弥生は一人で気にして馬鹿みたいに思えてきた。
「…じゃぁ気にしないでおくことにする。」
まだ顔は少し赤いけれど弥生は小さくそう言った。
そして駅に到着すると慎は立ち上がった。
「俺ここで下りるけど、弥生ちゃんはどこまで行くの?」
「…いくとこない。」
「は?」
「学校…サボったから。」
「クッ
じゃぁ俺と一緒に行くか。」
慎は笑って手を差し延べた。
弥生はそっと慎の手を握った。
慎の手は大きく、弥生の手はすっぽり収まった。
弥生はそんな自分の手と慎の手を見てあらためて慎は男らしいのだと実感したのだった。
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