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「…つうか今日俺の誕生日だよ。」
後ろからぼそっと蒼がつぶやいた。
「えっ、あんたさっき彼女できたって言ったじゃん。」
毎年、蒼の誕生日ケーキは私が焼いていた。しかし、てっきりさっきの彼女の話は今日はケーキはいらないってことだと思っていた。
「いや一昨日なのにいきなり誕生日なんて言えませんやん。」
蒼は最近ブラマヨにはまっているらしくちょいちょいセリフに影響がでる。
「ケーキは今買ってやるから。ロールケーキだがな。」
「…ケーキ~。」
蒼がぼさぼさの頭を揺らして言うと可愛くみえた。
「蒼ちゃぁーん。幼なじみが今や沈黙の春をやぶって羽ばたこうとしてるんだから応援してよ~。レイチェル脱出かかってんだから!」
あゆみが切実さをだしながら蒼に片手をおいてかっこつけた。
「えー。そんなのどうでもいい。ちぃの固いスポンジのケーキ食いたい。」
自己中、そして失礼。
「明日つくってやっから!な!」
あゆみがつくるわけでもないのに勝手に交渉する。
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