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「ふぇ……?」
「あ、おったんか。気配消してたから分からなかったわ」
管理人さんがねくらんのステルス能力に感心していたが、無視して話を進める。
「で、余り者の俺たちを一緒の部屋に入れてしまおうと?」
「いや~。偶然今年度の全入寮者が部屋数とピッタリでな。一人部屋にしようにも出来なかったんよ」
「だからって……」
「ま~大丈夫でっしゃろ! あんさん達なら立派に共同生活できることと信じてまっせ!!」
「男女ということが問題なんですよ!」
「ほうほう」
軽く頷いた管理人さんが、身を乗り出してねくらんに迫った。
びくっと半歩下がるねくらん。
「自分はどないやの? 富潟クンとの共同生活」
「ふ……ふえ?」
ねくらんは俺を見て、管理人さんを見て、また俺を見た。
じーっと穴が開くほど見つめられ(前髪で隠れているので本当に見ているのかは謎だが)、俺はどぎまぎしながら明後日の方向を見つつ言った。
「む、無理しなくていいんだぞ。嫌なら嫌ってちゃんと言えよ」
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