始まり始まり

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~scene管理人室~ 管理人室。管理人さんはひとしきり真司たちの様子を見て大笑いした後、デスクに戻りパソコンを起動した。 最適な割り振りのために彼女自身が組んだソフトを起動。天崎菫の欄をクリック。 基本的な個人情報から、本人も知らないであろう癖まで細かく項目分けされたウインドウを切り替えて、そこから導かれた最適な同居人をリストアップするウィンドウを開く。 「ホンマになぁ……。こんな結果が出るのは初めてやで」 彼女が目にしているウィンドウには、何の飾りもなく『該当者:なし』の文字が躍っていた。 「こちらさんも……」 富潟真司を選択。先ほどの最適者のリストアップウインドウを開く。 『該当者:相池麻美,相内亜樹,…………』 そこから先、学年全員の名前がピックアップされていた。 天崎菫も、当然含まれていた。 「最適者なしの少女と、全員最適者の少年か……」 モニターの前、彼女は、小さく笑った。 「最適者は時間によって変わる。真司クン。現状最適者が一人もいない独りの少女の、あんさんは何になれるんや?」
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