普通の少年と根暗少女

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俺のクラスには「ねくらん」というあだ名の女子がいる。 あだ名の由来は、非常に安直極まりないが、そいつが相当の「根暗女」だから。 前髪は目を完全に覆ってホラーだし、常に少し猫背でうつむきがち。話しかけても必要最低限の言葉しか言わない。 そんなわけだからクラスの中でも一際浮いた存在。 いじめられている訳じゃないけど、関わりが無い。むしろ自分から積極的に関わるまいとしている感じがする。 俺が知っていたのはそこまでだった。そう、あの日までは。 あれはそう、ちょうど高等部の入学式の帰り道だった。
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