始まり始まり

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「すいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいません」 「!?」 俺に土下座するように……いや、ただ頭を抱え込んだだけだろう。 丸くなった彼女はガタガタ震えながら、ただただその言葉だけを繰り返し叫び始めた。 「お、おい……」 「ごめんなさいすいません申し訳ありません許してください」 声をかけても、彼女は謝罪の言葉しか口にしない。 「……っ! おい!!」 その姿にただならぬ気配を感じ、強引に肩を掴んでこちらに向かした。 「まずは落ち着け、なんでそんな……っ!?」 肩を掴んだ俺の手を、今度はねくらんが掴んだ。 そしてそのままズルズルと這うようにして俺の胸元まで上がってくる。 半ばのしかかられるようにして、ねくらんが俺の胸元にすがり付いている……と、傍から見ればそんな感じに見えるだろう。 俺から見れば、貞子に殺される寸前の人みたいな気分だ。 前髪しか見えないからすんごい怖い。
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