始まり始まり

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精神力を多大に消耗し、ようやく俺とねくらんの上下を入れ替えることに成功した。 ……待った。 気付いたよ俺。 ……この体勢もすごくやばい。 傍から見れば、俺がねくらんを押し倒しているようですね。はい。 心臓の音がバクバクと聞こえる。いくら一生疲れない筋肉でできている心臓でも疲れそうだぞこの音。 やばい。このままだと…… カタンッ 「っ!!!!」 自分でもビックリするほどの早さでねくらんから離れていた。 見られた!? いや、待ってください! 何もしてないですよ。本当ですよ。不幸な事故なんですよ! 「………………」 しばらく動かずにいたが、何も起こらない。 …家具が勝手に出した音みたいだな。 安心と同時に、頭が重要事項をリピートした。 「しまった。ねくらん」 勢いよく飛び退いたので起きてしまっていないだろうか。 「んんっ…んん…」 見ると、ねくらんはしがみ付かせていた手をもぞもぞ動かしていたが、しばらくするとまた安定した寝息が聞こえてきた。 「……ふぅ」 危なかったが、とりあえず第1段階はクリアしたようだ。
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