普通の少年と根暗少女

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「ほれっ」 「あっ……」 強引に手を取って、ゆっくりと立たせた。 「怪我した所とか痛い所は無いか?」 向かい合って立ちながら、ざっとねくらんの体を確認する。 うん。擦り傷も軽そうだし、捻ってるわけでもなさそうだな。とりあえず一安心。 「はぅ……」 一方ねくらんは未だに状況が掴めていないのか、変な声を出して固まっている。 「大丈夫そうだな。よし、じゃあこれで」 無事も確認したところだし、さっさと帰ろう。今日は見たいテレビがあるのだ。 ちょうど寮への道の分岐点だったので、ねくらんに背を向けて歩き出す。 そういえばねくらんは寮住まいなのかね? …まあいいか。
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