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「はぁ……」
俺はため息を一つ。
もちろん理由は……
「なに朝から世界が絶望したような顔してんだよ馬鹿きょーた」
「ぐふっっ!」
カバンが俺の後頭部を直撃!
激痛が俺を襲う。
「痛っ!あれっ、おかしくない?なんか血出てないこれえぇ!」
「うるさいって!」
もう一度同じところにヒット。
「勘弁してください!?」
俺は神下京太郎。あだ名はきょーた。
容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能とモテ三大要素を完璧に有した、そんな男だ。
「なに偽の自己紹介してんだよ!」
「俺の心がなぜ読める!エスパーかお前!」
俺はまたも学生カバンで頭にクリーンヒットをくらった。
頭に激痛が走る。
ホントに血出てないかな?大丈夫か俺!
因みに俺を殴ったのは桜木美姫。
黒髪ロングで俺の家の隣に住んでる幼なじみだ。
背はすごく小さい。
中学一年までは優しくて可愛いやつだったのに、中学二年くらいからは急に暴力的なやつに変わってしまった。
「え~ホントのきょーたはバカ、アホ、もやしの非モテ三大要素を完璧に有した感じの男だからね。騙されないように気をつけて」
と、まあこいつはこう言うけど自分が自己紹介した日にはBカップですとか読者に偽の情報を……。
「間接的に胸が小さいとか言うな!あとサバ読ませるんだったらせめてDとかEにしてっ!」
「だからなぜ俺の心が読める!」
ぺきん。今度はスネにヒット。つーかぺきん!?
ぺきんっつったよ今!
「折れた!折れたって!いたっ痛い!」
「ったくうっさい!足の一本や二本でギャーギャー言わないでよ」
足の一本や二本って折れたらちゃんと歩けないじゃん!
「だいたいなぁ、」
と、俺が反論しようとしたとき、
キーンコーンカーンコーン……。
と、遅刻を知らせるチャイムがなった。
「やばっ。きょーた走れ!」
そしてオレらは駆け足で学校へと急いだ。
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