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そんな二人にも、話していないことがある。
一つは俺が殺し屋だと言うこと、二つ目は今ヒップホルスターに拳銃(5・7ピストル)を入れていることだ。
幸いこの高校は私服登校なので、上着を来て隠すことができる。
俺達みたいな連中はいつどこで敵に遭遇するかわからないし、今日は『仕事』が入る予定なので、こういう装備は必要だ。
今は朝のホームルーム。
時間が進む度にドアから同級生が入ってくる。
ふと入り口に顔を向けると、智美がいた。
俺が驚いたのは智美がいたからではなく、(もちろん今でなければ驚いていただろう。)彼女の脇辺りが少し膨らんでいたからだ。
素人目では、まず気づかないだろう。
それほどまでに小さな膨らみ。
彼女が自分の席に歩いていくのを凝視していると、いつの間にか隣に座っている進藤にこづかれた。
「お前、あいつのこと好きなのか?」
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