中年風乙女男子高校生

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そういえば、僕の姉も、 「しおり」殿だかなんだか。 そんな人と久しぶりに 会えるとかなんとか 言ってたな――なんて事を 思い出しつつ、四人で下校中。 ガードレールで仕切られた 道路沿いの道。 「だいきから聞いたけど、 ひろみ。お前、 姉と二人暮らし なんだってな? しかも義理の姉 なんだってな? エロゲみてえだな?」 「何をどうもって エロゲなのかは分からないけど。 うん、姉と一緒に暮らしてるよ。 でもそんな良いもんじゃ ないからね? 結構五月蝿いし」 「そんなものにゃの? ボクにはよくわからにゃいけど」 持たざるものを知るというのは、 厳し過ぎるだろうよ、 あやなさん。 「俺にもわからねえなあ。 でもよお、 おやじのお姉さん、 今度見てみたいもんだなあ。 ……メタボってるか どうか、とか、よお?」 「うわっ、失礼な発言」 「いや、俺もお前の姉が メタボってるかどうかは 気になる。 ……特に胸がメタボってるか どうかが問題だ」 「うっわー。 これってどう思う あやなさん?」 「いつもなら 足払いでしたにゃ!」 「それをやってもらえない 俺ってかわいそう!」 存在自体がかわいそう。 なんて事は、 言える訳もなかった。
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