盗賊の頭ランド

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え、おじさん盗賊なの!? だからおじさんじゃねぇ!それに盗賊っても俺達は義賊だから、悪い奴からしか盗まないの! でも、泥棒は泥棒だよね? あぁーっ!分かったからとりあえず今は黙って聞いてろ!!あれはな――… 真夜中、月明かりだけが唯一地上を照らす中……彼らはいた。 そこは街中から外れた一軒家と呼ぶには少々大きな屋敷。 その周りに何人かのグループに分かれた彼らがそれぞれで屋敷へと侵入する。 しかし侵入と言っても静かに入った訳ではなく、扉や壁を爆破したり窓を叩き割ったりと、それはそれは荒々しいものだった。 「ちっ、もぬけの殻か。いくら夜中でも静かすぎるからおかしいと思ったんだよ!」 家に入ったランドが暗闇に閉ざされた屋敷の中を見て呟くと、イラつきから近くにあった置物を蹴り飛ばす。 「頭、こっちもダメでした!」 同じように何の成果も無かった仲間達がランドの元へと集まる。 「あの野郎、ガセ掴ませやがったな。あぁ!帰るぞ!!」 仲間が全員集まった所でランドは入り口へと歩いて行くと、その扉は彼らが開けるより先に開いた。
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