盗賊の頭ランド

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「そこに現れたのがお前だ」 ランドは話の区切りにと机の上にある自分のコップにポットで珈琲を注ぐ。 「え?じゃあおじさん達は僕の家に泥棒に入ったの!?」 その注がれる様を静かに見ていた少年はそれを聞いた瞬間、驚いたように顔をランドに向ける。 「……あ。いや、まぁ……そう、なるな」 それに動揺したランドは無意識に珈琲をコップ一杯まで注いでいた。 しかし実はランドの動揺はそこではなく、別の所にあった。 「おじさんたち泥棒だけじゃなくて、誘拐もするんだね。義賊も何もないじゃん」 だが少年がそれに気付くはずもなく、呆れたようにランドを見ていた。 「バカ野郎、それでも義賊は義賊なんだよ。本人達が言ってんだから良いだろ!」 その姿を見てランドは人知れず胸を撫で下ろしていた。 「それで口封じに僕を連れて来たって訳だね。うわぁ~大人って汚いな」 「お、大人には色々事情があるんだよっ!」
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