盗賊の頭ランド

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「それで続きは?」 ランドがコップ一杯の珈琲を零さないよう慎重に飲んでいると、少年が呆れ半分、興味半分といった様子で話を急かす。 「続きって言うか、もうほとんど終わりだぞ?」 少年の様子を横目で確認しながらランドは話を続ける。 「頭、ガキが……」 一番最初に少年に気付いたのは手下の一人。 その声に反応してランドは家具への八つ当たりを終え、少年に近付く。 「こんな遅くに何してんだ?」 しかし少年はランドの言葉に答える事なく、左右を見渡してからもう一度視線を目の前のランドに戻した瞬間……倒れた。 『は?』 いきなりの出来事にどうする事も出来ず、盗賊団は揃いも揃って間の抜けた声を上げてしまった。 「いやぁ、あの時は驚いた。でも、それを助けてやったんだから俺はお前の命の恩人だぞ」 場面は戻り再びランドの部屋。大笑いを浮かべるランドを少年が冷めた目で見ていた。 「何それ、嘘でしょ?」
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