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「頭、ガキが……」
手下の一人が少年を見つけるとランドは八つ当たりの手を……いや足を止めた。
「近所のガキか?おい、こんな夜中に何して……」
そしてその足で少年にゆっくり近付くが、不意に少年の目の前で立ち止まる。
「おい、こいつは……」
何かを確認するように少年を頭の先から爪先までランドが見ていた時、不意に三人の男達が慌てて走ってきた。
「どうした?」
その騒がしさに少年から男達へとランドは視線を動かし、声をかけた。
彼らもまたランドの仲間、三人一組四グループで潜入した内の一組である。
「頭、ここは本物だ」
すると膝に手をついて息を整える彼らの内の一人が口を開いて話し始めた。
「それと……奥に死体があった」
それを聞いたランドは眉をひそめながらも納得したように頷いた。
「やっぱりか」
呟きながら再び少年の方に振り向くランドは、その少年の袖と裾に付着した血痕を見て苦い表情を浮かべていた。
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