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その後授業が終わると、すぐさま未緒の周りには人だかりが出来上がった。
「未緒ちゃん、最高! あの先生前からスッゴくムカついてたんだよねえ。なんか、これくらい出来て当たり前みたいな態度しててさ」
「でも、お前も見ただろ? あいつのあの悔しそうな顔!」
「ああ、あれはマジ笑えた!」
皆、普段から羽鳥を嫌っていたのか、その表情はとても清々しく笑っていた。
「東宮寺さんのおかげで、今日は大嫌いだった数学が楽しかったよ!」
「いや、自分は別に……」
「なんだよ、東宮寺、謙遜なんかすることねえよ! 俺達みんな、お前に感謝してるくらいなんだからよ!」
「感謝…」
「おうよ! でもお前さあ、めちゃくちゃ頭良いんだな」
「え…」
「あ、それ僕も思った!」
いつからそこにいたのか、未緒の真隣に立つ遥斗は、身を乗り出すように話に入ってきた。
「多分あの問題、このクラスの人、全員分からなかったと思うよ? 未緒ちゃんは天才だね!」
「んな、大袈裟な…。でも、あの問題は明らか今の授業じゃ解けない問題だったし、嫌がらせ用としか考えられないね」
「やっぱりそうなんだ。あの先生嫌な奴だよね、人が嫌がること無理矢理やらせて自分が上だってこと見せ付けるみたいでさ。でもさ、未緒ちゃんは解けたんだから、やっぱり頭良いよ!」
「…そうか?」
特にそんなこと気にしたことのなかった未緒は皆の発言に首を傾げながら、その後もクラスの人達と会話を続け、休み時間を過ごした。
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