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『学校とは、必要以上の要らぬ知識を与える場。その原因の大半は学校に通う子ども達にある』
『役に立たない会話をし、くだらぬ恋愛にうつつを抜かして、時には他者の人生を破滅へと導く…そんな奴らばかりが集まる所が、学校だ』
「…父上」
決して本人に聞こえることのない湯船の中、未緒は父親に話しかける。
「父上の言う通り、彼等の会話は確かに今後の役に立つとは思えないものばかりでした」
未緒は学校にいる間に聞こえてきた彼等の会話一つ一つを思い返してみる。
優一の事、遥斗の事、未緒の事、そして自身達の自己アピール。
それらは決して今の未緒に役立つようなものはなく、理一の言葉を借りるとしたら、要らぬ知識なのであろう。
「でも…」
そんな彼らの会話を間近で耳にし、見ていた未緒はふと思うことがあった。
「でも、彼らが、父上が言っていたほどの酷い人達とは、思えない…」
楽しそうに話をする彼等の表情。
心から喜んでいるような明るい笑顔。
家族でも何でもない人達が集まっている中で生まれた彼等の不思議な繋がり。
そしてその繋がりの中に未緒を招き入れ入れようとするクラスの人々。
「……」
未緒はふと考えるのを止め、長く浸かり過ぎた体を湯船から立たせ、バスルームを出ることにした。
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