◇第四章◇

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 小鳥たちに連れられた場所は中庭を囲うように植えられた植え込みの中の一角だった。 「…ここに何が?」  ようやく小鳥達から解放された未緒は目の前の茂み一帯に群がる小鳥達に質問する。 すると、数羽の小鳥が二,三回旋回すると茂みの中へと降りていった。 未緒はそれを見失わないうちに降りていった茂みをかき分け、中を覗く。 「…あっ」  そこには雛鳥がいた。 まだ産まれて間もないのか、雛鳥の目は閉ざされていて必死に親鳥を探して鳴いていた。 「木から、落ちたのか…」  未緒は近くの木の上を見やり、すぐ手前の木に小さな鳥の巣があるのを見つける。 「…仕方ない」  それほど高さのない木を前に、未緒は軽く腕捲りをし、地面に落ちた雛鳥を慎重に手の上に移動させ、巣がある木の枝に向かって手をかけた。 すると…… 「み、未緒様っ! 何をなさっているのですかっ!?」  後ろから血相を変えてこちらに向かってくる要の声が飛んできた。 「あ、おはよう。要さん」 「おはようございます。…ってそうじゃなくて、未緒様っ! こんな所で何をしているのですか!?」 「あ、いや、別に…」  未緒は手にかけていた木から離れ、要と向き合う。 「雛鳥が、木から落ちたみたいでそれを戻してやろうと」 「雛鳥、でございますか?」 「うん、ほら」  未緒はすっと手の上で未だ親鳥を呼ぶ雛鳥を見せてやる。
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