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そのままセイルを登り高倍率双眼鏡を覗いた。
「まさか…」
接近する艦隊を見ると関本は目を疑った。
目の前には70年以上も前に太平洋に沈んだ艦が駆逐艦などの護衛の本、我が艦隊に向かって海を切り裂きながら行進してきた。
「これは、・・・加賀・・・」
「加賀・・いやアノン(不明艦)から発光信号『タダチニテイセンシ、キカンノショゾクヲジョウコクセヨ、サモナクバコウゲキモヤムナシ、クリカエス・・・』です。」
加賀から発光信号が発されるのとほぼ同時に護衛の駆逐艦が向かって来た。
「どうします?
逃げますか?
それとも攻撃しますか?」
直ぐ隣で声をかけられる。
しかし、直ぐには応じず、考え込んだ。
・・・まさか本物の軍艦いや、加賀か?そんなはずは有るわけない。
だがこれは実際に存在する。
だとしたらこれは何なんだ?
まさかどっかの大金持ちが再建したのか?
だとしても空母が四隻もあるし、艦隊丸ごと再建したのだとしたら10兆円は下らない。しかもこっから見る限り兵士もいる。
ん、艦載機を飛ばそうとしている。あれは確か零戦、今作るとしたら1機あたり数億もするのに編隊で飛ばしている。
再建した可能性は無いな。
だとしたら・・・
「いや、我が艦隊は完全に射程圏内に入っている。
逃げようにも海に潜れるのはこの大和だけであって他の4隻を見過ごす訳にはいかない。
ここはひとまず命令に従う。
ただし機関は止めるな、各艦にも伝えとけ。」
剣幕を張らした口調で言う。
「了解。」
返事をすると兵士の一人がハッチの中に降りていった。
…何故だ、何故こんな事が起きている。
あり得ない…
暫くし、別の兵士が登って来た。
「報告します。
レーダーに南南西から北上中の不明機編隊を感知。
総数は52機で時速170ノットの速度で向かって来ており、あと10分で接触します。」
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