雷跡2 帰れぬ道へ

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「機種は?」 「全機不明です。」 「横浜、汐留、木更津の各艦に連絡、直ちにAV-3を全機発艦させ、偵察の任にあたらせよ。」 AV-3とは日米共同で開発した垂直離着陸戦闘機の事である。 実在する米海兵隊のAV-8とは違い双発エンジンで最高速度はマッハ2を出すことができる。 ステレス面も充実しており、Fー22ほどてはないが、早期発見は困難である。 ちなみに愛称はブラックイーグルである。 何故この名前が付いたかというと、レーダーに映る大きさが鷹と同じサイズだからである。 「ですが全機は多くないですか?」 「機種が判り次第また命令を出す。 それと私は発令所に戻るからそこの二人は残って監視していろ。」 そう言い残し、関本は下に降りて行った。 …それから2分後、輸送艦横浜… 「こちらスラッガー1。 スタンバイ良し。 発艦許可を求む。」 「了解、発艦を許可する、グッドラック。」 「ラジャー。 可変排気口90°、エンジン出力上昇、発艦開始。」 機体の前後左右に一つづつある排気口から熱い排気を吐き出す。 その排気は、甲板上に有る小さな塵を吹き飛ばしながらゆっくりと黒い機体が浮いていく。 「高度200フィート、後部排気口開放。 速度150Km/h到達、可変排気口格納。」 今までゆっくりと真上に上昇していたのが前へ加速して行き、やがて旋回し始めた。 その後後続の機体と合流し、編隊を組む。 そして目標の海域へ急いだ。
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