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最悪の事態になってしまった。
ついさっき、攻撃隊の装備を対艦用装備から対地用装備に替えたばかりだ。
艦橋から飛行甲板を見ると、多くの整備士が魚雷から爆弾への転装を終えて小休止を取っていた。
また魚雷への転装を行うと、かなりの時間がかかる。その事を考えるとこのまま攻撃を強行した方が良いのだが、重い対地用爆弾での攻撃だと水平爆撃しか方法が無い。
蛇行しながら対空砲を撃ってくる船にピンポイントで当てるのは至難の技でそう当たるモノでもない。
南雲はすぐさま対艦装備に替えるように命令を下し、零戦隊に直ちに迎撃に行くように命令した。
「前方に敵艦隊とおぼしき艦隊を発見。
空母3。
輸送艦1。
潜水艦1。」
突然、見張りの兵が叫んだ。
「そんな、見間違えではないのか?」
今日は晴れで見通しもいいので2~30キロは余裕で見渡せるのに今まで気づかないなどあり得ない事だ。
そうは思いつつも前を見た。
「馬鹿な…」
そこには2万トンはある空母が3隻と、巨大な潜水艦が浮かんでいた。
「司令、今なら木っ葉微塵になるほど攻撃出来ます。攻撃命令を。」
隣にいた艦長が促した。
「駄目だ、まだ遠方に3隻の空母がいるのを忘れたか?それに理由はわからんが護衛はあの浮上している潜水艦のみだ。この際、あの空母を拿捕しろ。」
「了解。」
水兵達はすぐさま伝声管を使って命令を伝え、それを聞いた見張り員が発光信号で両艦に伝えた。
一通り終えて、数隻の駆逐艦が向かっているのを見た南雲はもう一度よく見ようと、今度は双眼鏡を使って見た。
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