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やがて、10秒もしないうちに、機銃は止んで全て撃ち落とした事を伝えた。
「10時の方向機影確認。数、大きさからして先ほど離陸した不明機だと思われます。」
すぐさま双眼鏡の向きを変えた。すると、先ほど見たのと同じプロペラの無い機影が見えた。
そして、急に後ろから赤い炎を全機が一斉に吹いた。
被弾?
一瞬そう思った。
だがその機影は速度が落ちる所が急に加速していった。
そして、先頭にいた機を始めにそれぞれ一瞬だけ白い円形の雲が出来た。
音速を知らない南雲達にとってはこの衝撃波による雲が何の雲だか判らなかっただろう。
しだいに編隊は分散していき、3機ほどの小隊に分かれた。
だいぶハッキリ見えて来た所で機体から前方へ伸びる白い雲が見えた。
その雲をたどっていくと、べつの不明艦に爆弾を投下しようとしている米軍機に向かっていき、消えた。
消えたというよりは、米軍機に当たって爆破したといった方が良いだろうか
不明機は更に別の米軍機に同じことを繰り返して行った。
双眼鏡では追えなくなった南雲は肉眼で見た。
「ど、どういう事だ?」
目の前には無残にも爆破された機体の破片と、そこへ伸びる消えかかった白い雲があり、今もその数は増えて言った。
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