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あの戦闘機にとっては米海軍は敵ではなかった。
よく見ると、白い煙の先端に黒く細長い影があった。恐らく今開発中のロケットの一種だろか?
だがそのロケットの性能は凄まじい物だった。
被弾を避けるために必死に急降下、急旋回などを試みるのも居たが、そのロケットはまるで目が付いているかのごとく進路を変更して追いかけた。
その下では、先など飛び立った零戦隊が砕け散った機体の残骸に当たらないように注意深く見ているていう有り様だった。
また、先ほど見張り員が確認した敵機の数は実際にいた数の半分以外だと判り、もしもあの艦隊がいなかったら、大惨敗をしていた所だったと分かった。
「司令、彼らは味方なのですか?」
艦長の岡田次作大佐が聞いてきた。
「そんな事私が聞きたい。だが、私達と同じくアメリカの敵である事は確かだ。少なくもこちらからには攻撃してこないだろう。」
「有難うございます。」
岡田はまた、双眼鏡をめにあてた。
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