1946人が本棚に入れています
本棚に追加
「攻撃隊、発艦準備完了。これより順次発艦していきます。」
威勢良く若い伝令兵が報告して来た。
「分かった。下がってよし。」
形式道理に言い終えた後、南雲達幹部は少しだが頬の吊りが弱まった。
上空を飛んでいる敵機の数は残りわずかになっており、壊滅状態だった。
これで敵と対等に戦える。
みんながそう思った。
だが、敵の勢いは衰えを見せなかった。
「敵第2波攻撃隊発見。数およそ70。」
「まだ来るのか!」
非常にマズい事になった。
既に上空に敵機は2、3機しか残っていないが、あの不明機達はロケットを撃ち尽くした様で、今は機銃での攻撃のみとなっていた。
今、この状況で攻撃を受けたら流石にあの不明機と零戦隊では防ぎきれなくなってしまう。
兎にも角にも攻撃隊の発艦を一刻も早くに終わらせるように指示した南雲はただ、祈るほかなかった。
「司令、潜水艦から煙が。」
またロケットか?
南雲達は不明艦隊の潜水艦を見た。
やはり、ロケットだった。
だが、先ほどの戦闘機が撃っていたロケットとは明らかにサイズが違った。
そのロケットは垂直に上昇した後に進路変更をして敵編隊のいる方角へ飛んで行った。
最初のコメントを投稿しよう!