雷跡2 帰れぬ道へ

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「目標αに対し、SMー108を12基照準。 自動発射管制モードにて行う。」 「1から12番VLS解放。」 「発射準備完了。」 そして遂に水雷長の土岡が言った。 「発射ー。」 「ゴゴゴーーーッ」 鈍いミサイル発射の振動が艦内を駆け巡った。 輸送艦(横浜)(汐留)(木更津)の各艦からも八基ずつ、計36基もの迎撃ミサイルが飛び上がる。 新型迎撃ミサイル、SMー108がロシアの弾道ミサイルめがけて飛んでいった。 もしもこのミサイルが巡航速度でとんでいたら一基もあたらなかったかもしれない。 だが幸いにもまだ上昇中で速度が遅かった為に5基のミサイルが命中した。 「グワッーーー」 凄まじい熱線と共に強烈な爆風が艦隊を襲った。 「ウワッッみんな何かに捕まっておけーッ」 関本は潜望鏡に必死にしがみつきながら言った。 「し、司令。 半径1キロ以上での原爆の爆風に耐えれる設計限界衝撃を軽く越えています。 機関停止、全システムダウンしました。 艦が、バラバラになります。」 この、ロシアが核軍縮条約を回避するために開発した新型真空弾弾頭ミサイルの爆発により、全ての物を吹き飛ばし、海水を蒸発させて、更には強力な高周波の波長の電磁波を放射。 周囲の物質の原子核を破壊。 原子から電子を吹き飛ばし、陽子と中性子をも分離させ素粒子単位にもエネルギーが加わった。 そして、第56特務艦隊は消えて行った。
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