雷跡2 帰れぬ道へ

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「いいえ、ありません。 ですが機関が停止していて予備電源も極わずかです。 ですが、時期に回復するでしょう。」 「そうか。 なら良かった。」 「こちら機関室。機関回復しました。 あと10分で十分な蒸気を得れます。それまでの間は発電機を作動させます。」 「ウィーンッ」 発電機が作動したらしく、艦内のLED灯がついて明るくなった。 「ソナー士、ソナーは使えるか?」 関本が聞いた。 「チョット待って下さい。今、再起動させます。」 十数秒後… 「ソナー回復しました。 あっ ソナーに感、不明艦が多数。 艦隊だと思われます。」 「何だと」 関本は思わず口走った。 「それでソナー士、その艦隊の規模は分かるか?」 「はい、ですが詳しくはコンピューターで解析しなければならないのであと1分ほどかかります。」 「分かった。それじゃレーダーは使えるか?」 「残念ながら司令、今の予備発電機だけでは電力が足りません。」「そうか」 「ですが、輸送艦に問い合わせるば解ると思います。」 「分かった。 すぐ問い合わせてくれ。」 しかし、問い合わせる必要はなかった。 「こちら通信室。 輸送艦(横浜)からの報告によりますと艦隊12時の方向に累計100隻以上の大艦隊が接近中。 全艦とも識別装置を付けていなく、あと15分で接触するので指示を求めるとの事です。」 「分かった。 とにかく直接見てみない事には解らんだろう。 セイルに登るから水密区画を開いてくれ。」 「了解。」 「司令、私もご一緒にいいですか?」 杉本が聞いた。 「いいだろう。あと2、3人ぐらい連れてきてくれ。」 「了解しました。」 すぐさま水密扉とハッチが開かれ、セイルに登った。
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