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「2人ともビックリしたでしょ?」
そう言った薫は、満足そうに笑う。
そのままあたし達は昔のように、3人で他愛もない話をしていた。
「あっ…あたし、飛鳥の迎え行かないと!」
気付けば保育園に迎えに行く時間が迫っていた。
あたしの声に2人も反応する。
「やべっ、俺も部活行かねぇと!!」
「私も行かなきゃっ……って飛鳥ちゃんのお迎え、透が行くの?
おばさんは?」
薫の言葉に少し焦ってしまった。
あたしは転校した理由も、お母さんが死んでしまった事も、まだ話していなかったから。
「あー…うん。
詳しい話はまた今度。
取りあえず時間ヤバいし帰るわ!!
じゃあ、また明日!!」
「えっ!?ちょっ…透!?」
あたしは薫の声を背に走りだした。
薫や勇真に言いたくないわけじゃない。
ただ、今はまだ完全に立ち直れていないから…。
お母さんの事を話すと泣いてしまいそうで言えなかった。
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