プロローグ

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ローレシア。 魔法の使用が日常的になり、人以外の生物の蔓延るこの世界。 人々は、数百年前に起きた他人種間の戦争を境に、争う事が少なくなった。 他の種族と共存し、生きて行く事を決めてから、何時しかこの世界から『戦争』という言葉が口にされなくなり始めた。 戦争の無くなった世界……。 在るべき平和がそこにはあった。 まるで夢でも見ている様な感覚に世界が浸る頃、それが只の幻想だったと世界中の人々が実感するのにそう長い時間は必要なかった。 五十年前…… まるで静寂の森に火を放つかの様にそれは起こった。 南の大陸に突如、空から飛来した隕石が墜落したのである。 歴史的大惨事はここから始まる……。 飛来したのは隕石だけではなく、それには未確認生物が付着していた。 後にクトゥルフと呼ばれるその生物は、森や家を薙払い、生物を汚染させ、南の大地に死を降り注いだ。 瞬く間にクトゥルフは南の大陸を掌握し、十数億の人口を誇った南の大陸はたったの十年で帝国ルルイエへと変わり果てた。 更に、クトゥルフは北の大陸にまで汚染と帝国を広げようとする。 が、それは北の諸国による連合軍によって食い止められる。 一時的な停戦状態になるも、世界は混乱状態に陥り、恐怖に支配された。 諸国は、まるで世界に終焉をもたらすかの様に現れたクトゥルフに対抗すべく、対クトゥルフ魔法機関“ドール”を設立するが…………
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