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サソリは自分の何倍も大きい存在でも毒で倒せる。
私はそんな隠れた毒なんかないしなぁ。と悲しくなる。せめてみんなと見た目もテンションも同じにしたい。髪の毛切ってみようかな・・・
「なにしてるの?」
突然声をかけられた。自分の思考に埋もれすぎて人に気づかなかったらしい。声のした後ろをゆっくりと見る。
そこにいたのはかわいらしい女の子だった。まっすぐ私の目を見てにこにこしてる。とってもまじめで優しそうだ。
「もうすぐ授業始まっちゃうよ~!早く入ろ!」
私を押しのけ扉を開けて振り返った。
「わたし木島菜々。君だよね、金野麗奈さんって。出席番号すぐ後ろだからよろしくね☆」
自己紹介すらテンション高い子だな~と思ったがなんとか我に返り口を開いた。
「はい、席に着きなさい。授業よ。」
先生がすぐ後ろにたってしまった。
クラスメートはみんなしっかり席に座ってこそこそとおしゃべりしてる。
「・・・ハァ。」
思わず溜め息も漏れる。せっかく友達になるチャンスだったのに・・・。
俯きながら私は自分の席についた。先生が何か言ってるけど頭に入ってこない。
私は心残りをなくして卒業する。そう誓ったんだから・・・頑張らなきゃ!
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