いざ魔境へ!?

2/2
前へ
/70ページ
次へ
サソリは自分の何倍も大きい存在でも毒で倒せる。 私はそんな隠れた毒なんかないしなぁ。と悲しくなる。せめてみんなと見た目もテンションも同じにしたい。髪の毛切ってみようかな・・・ 「なにしてるの?」 突然声をかけられた。自分の思考に埋もれすぎて人に気づかなかったらしい。声のした後ろをゆっくりと見る。 そこにいたのはかわいらしい女の子だった。まっすぐ私の目を見てにこにこしてる。とってもまじめで優しそうだ。 「もうすぐ授業始まっちゃうよ~!早く入ろ!」 私を押しのけ扉を開けて振り返った。 「わたし木島菜々。君だよね、金野麗奈さんって。出席番号すぐ後ろだからよろしくね☆」 自己紹介すらテンション高い子だな~と思ったがなんとか我に返り口を開いた。 「はい、席に着きなさい。授業よ。」 先生がすぐ後ろにたってしまった。 クラスメートはみんなしっかり席に座ってこそこそとおしゃべりしてる。 「・・・ハァ。」 思わず溜め息も漏れる。せっかく友達になるチャンスだったのに・・・。 俯きながら私は自分の席についた。先生が何か言ってるけど頭に入ってこない。 私は心残りをなくして卒業する。そう誓ったんだから・・・頑張らなきゃ!
/70ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加