―――始まりの時―――

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「……まずは…隊長に会う予定だったな」 あらかじめ基地の地図は暗記して来ていたので、迷いなく隊長のテントへと向かう 「おい、見ろよ…」 「…ああ、新しい奴か」 「また、ガキじゃねぇか。お偉いさんは何を考えてやがる」 「増員は素直に喜べ」 そんな声と視線がそこらからあびせかけられる。 フンッ、こういうのは気にした方が負けだ。 俺は誰とも目を合わせることなく、話すこともなく まっすぐテントを目指していだが…… 「なんだ…あれは…」 前方からフラフラと右に、左に蛇行しながらこちらに来る 『弾薬箱の山』を見た時はさすがに足を止めた。 「うぅー…お、重い。やっぱり一気に運ぶのは無茶だったかなぁ。」 (弾薬箱がしゃべった!!) 呆気にとられたまま歩いてくる山と詰まれた弾薬箱を凝視していると、 一番下の箱の辺りに二つの手と足が見えた。 どうやら人らしい。 「……おい、大丈夫かお前…」 いくらか余裕を取り戻した俺はその弾薬箱の山に話しかけた。 そんな自分自身に少し驚きながら。
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